妊娠判明・妊娠初期の親の役割により夫婦のスタートが変わる

新しい命がやってきたこと。それは手放しで嬉しいこと、素晴らしいことです。長く待ち望んだ妊娠かもしれません。あるいは、思いがけない妊娠かもしれません。

どちらにしてもまずは、新しい命がわが子の胎内に宿ったことを喜び、歓迎しましょう。

妊娠初期は非常にデリケートな時期です

娘自身も、嬉しくて舞い上がりそうな気持ちと、不安に押しつぶされそうな気持ちの両方を抱えている場合が多いもの。人によっては着床直後からひどいつわりに悩まされることもありますし、つわりが軽い場合も、生活の急激な変化やこれから母親になるのだというプレツシヤーなどで心のバランスを欠いてしまうことがあります。

また、妊娠初期は流産しやすい時期でもあります。流産が起こる確率は全妊娠の15,20%、その9割以上が妊娠初期に起こっています。ほとんどは受精卵の染色体異常などによるもので、母体が原因ではありませんが、流産してしまうかもしれないという不安は、つねに妊娠初期の妊婦さんにつきまとっています。

親として、してあげられることはまず、妊娠初期は不安定な時期なのだということをまるごと受け止めてあげること。「不安だよね、お母さんもそうだったよ」などと共感の気持ちを示してあげるだけで、娘はどれだけほっとすることでしょう。「重いものを持っちゃだめよ」「からだを冷やさないように気をつけて」など心配のあまりつい注意めいたことを言ってしまうこともあると思います

が、それもひとつの愛情の示し方です。あまり口うるさくなりすぎないように気をつけて、「あなたとおなかの子を大事に思っているよ」「喜びも不安も受け止めるよ」というメッセージを送ってあげてください。娘がゆったりおおらかな気持ちでいられるよう、精神的な手助けをしてあげてください。

重度のつわりや切迫流産などで、親として実際に手を貸す必要が生じることもあるでしょう。ただ、妊娠期間は、娘夫婦が父親・母親になるための準備期間でもあります。娘の夫とよく相談して役割分担をし、何もかも親が面倒をみるようなことは避けたほうが賢明です。

娘から妊娠の報告を受けたら?

誤解が生じるとあとまで尾を引く

親への妊娠報告の時期は、人によってまちまちです。嬉しくてすぐに連絡する人もいれば、心音が確認できてから報告する人、「何かあったら心配をかけてしまうから」と安定期に入ってから報告する人もいます。親としてはどのタイミングであっても、娘なりに考えてのことと理解しましょう。

いずれにしても、親は報告を受けたら、「おめでとう。お母さん(お父さん)もとても嬉しい」「素敵なお知らせをありがとう」と、喜びを前面に出して祝ってあげるのが吉。妊娠。出産・育児の苦労を知っている親のなかには、これから娘が経験する苦労を思って手放しでは喜べないという人もいるかもしれません。

照れくさい気持ちがあって「あら、そう、よかつたわね」なんて流してしまう人もいるかもしれません。でも娘は、親に手放しで喜んでもらいたいのです。新しい命を歓迎してもらいたいのです。手放しの「嬉しい!」を期待して報告したのに、思った反応が返ってこないと、「この妊娠は、このおなかの子は歓迎されていないのだろうか」という誤解を生み、あとあとまでわだかまりが残ってしまうこともあります。

何事も最初が肝心。娘の妊婦生活が希望に満ちたスタートとなるよう、やさしくあと押ししてあげましょう。

親戚など周囲への報告は安定期に入ってから

周囲への娘の妊娠報告は、誰に、どのタイミングで伝えるかを娘と相談してからにしましょう。娘としては、「まだほかの人には言わないで」「流産する可能性だってあるのに、祝われるのはプレッシャー」と思っていることもあるからです。

親経由で報告するとよいのは、娘の兄弟姉妹、祖父母、親戚

ただし、娘がおじいちゃん子など相手との関係次第では、娘本人から伝えたほうが喜ばれるでしょう。報告のタイミングは、安定期に入ってからが適期。電話で何か話す機会があるときに、「○月に娘に家族が増えることになって」などと伝えるのが自然です。

絵ハガキや絵手紙にひと言書き添えるのもよいでしょう。もし「なんでもっと早く知らせてくれなかったの?」と言われたら「何かあって心配をおかけしてはいけないと思って遠慮していました」と伝えれば、相手もすんなりと受け入れてくれるはずです。

行き違いが生じないよう気配りを

娘から妊娠の報告を受けたら、先方ご両親に連絡を入れましょう。たとえ、親同士がふだん頻繁に連絡を取り合う関係ではないにしても、娘の妊娠がわかってから長期間連絡を取り合わないのは不自然です。

その際に、娘に「あちらにはお知らせした?」と声をかけて、先方に報告済みかどうかの確認を。先方が知らないのにうつかり話題にあげたりしたら、「うちのお嫁さん、自分の親にだけ報告して……」などと、わだかまりが生じる原因になってしまいます。もし、娘がまだ先方ご両親に話していない場合は、すぐに報告するようアドバイスを。

「義父母にはもう少ししてから」などと娘なりの考えがあるかもしれませんが、こういったことは両家で情報を共有すべきです。娘から先方ご両親に報告するときは、夫経由ではなく娘本人からも直接伝えるのがよいので、まずは夫に実家に電話してもらい、電話を代わって娘からも報告するよう、娘に提案するとよいでしょう。

親から先方に連絡を入れるときは、「今、娘から聞きました」「私たちの楽しみが増え、ありがたいです」というように、相手を立てつつ、喜びを分かち合える言葉をかければ、相手も快く応えてくれるでしょう。

娘が赤ちゃんを授かったことにより、両家の親はこれから祖父母となり、それぞれの役割や関わり方がこれまでと変わっていきます。波風を立てずによい関係を保つためには、まず、情報をオープンにして足並みを揃えること。また、相手を立て、花を持たせる気配りも大切です。

両家の中心となるべきは娘夫婦なので、親があまり出すぎるのはよくありませんが、娘に手本を見せるためにも、娘の夫や先方ご両親への気配りを心がけましょう。「本当に楽しみです。○○さん(娘の夫の名前)やご両親に感謝です」と、言葉にして感謝の気持ちを伝えましょう。

結婚前に妊娠を報告されたら

心を落ち着かせ娘の話に耳を傾ける

厚生労働省の調べによると、授かり婚クの割合は結婚全体の25%(※)。4人に1人は結婚前に妊娠しているということになり、いまやめずらしいことではないことがわかります。

娘が結婚を意識した交際をしていることをすでに知っていて、「いずれは……」と思っていた場合は問題ないのですが、そうではない場合もあるでしょう。予期せぬ妊娠を娘から告げられたときは、誰でも驚きあわててしまうはず。つい、「どういうこと」「ちゃんと説明して」などと問い詰める口調になることもあるかもしれません。

でも、親が感情的になれば、売り言葉に買い言葉″で娘も感情的になってしまいます。こんな状況のときこそ、親として落ち着いて対応しましょう。娘ももう大人。娘の行動や判断を信じ、気持ちを受け止める姿勢で娘の話に耳を傾けてあげてください。そしてまずは、「おめでとう。あなたもお母さんになるのね」と娘を認めるひと言を。

納得できなくても受け入れるしかない

新しい命を授かったことは、たとえそれがどんな経緯だとしても、奇跡的で、素晴らしいことです。親として納得がいかなくても、宿った命をなかったことにするわけにはいきません。モヤモヤはあっても、最終的には結婚を認めざるを得ませんし、結婚すれば相手の男性や家族とも親族としてずらとつきあつていくことになるわけですから、それならば、最初から受け止め、受け入れたほうが得策でしょう。

世の中には、なかなか赤ちゃんを授からないことで悩む夫婦も多くいます。それを思えば、妊娠は本当におめでたいこと。この、授かった命を親が肯定的にとらえてくれたかどうかは、今後の孫を含む娘一家との関係にも影響します。まずは冷静になること。最初がとても肝心です。

結婚前の妊娠報告の場合、報告の場に相手の男性も同席しているケースが多いでしょう。相手の男性とあまり面識がないときは、まずは基本的なプロフィールを確認する必要があります。これから娘が結婚しようという相手ですから、遠慮はいりません。ただ、品定めするような態度は避け、穏やかに話せる雰囲気をつくりましょう。

否定的に構えず、できるだけ相手の長所に目を向けるよう努めることも大切です。ふたりのつきあいのきっかけや、結婚式や結婚後の生活プランなど今後の話も聞いておきたいものです。

もし、話のなかで親として気になることがあれば「こういうことはどうなのかしら?」とはっきり言ってしまっても構いません。そこをふたりがどのように克服しようとしているのか気持ちをしっかりと聞きましょう。納得できる言い分をもっているのであれば、心配はいりません。娘と、娘の選んだ人の判断を信頼し、応援してあげましょう。

早めに先方ご両親と会い話を進めていく

授かり婚はスピード勝負です。入籍も、一挙式・披露宴も、のんびりしていると適期を逃します。先方ご両親とは、できるだけ早めに会っておきたいものです。結婚前の妊娠では、男性側から連絡があり顔合わせの機会を設けるのが常識的ですが、もし段取りが決まらないのであれば、娘と相手の男性を通して「ぜひ、ごあいさつをさせていただきたいです」というこちら側の前向きな意向を伝え、日時や場所を調整してもらいましょう。

場所は、こちらの家に来てもらうのがよいでしょう。でも、おたがいの事情によっては、個室があり落ち着いて話ができるレストランなど、外で会うのもひとつの方法です。

いざ顔合わせをする際には、親として、リラックスした雰囲気のなかで、両家が率直に話し合える雰囲気づくりを心がけましょう。

まとめ

若いふたりが決めたことに対し、先方ご両親がこちらと違う考えをもっていることもあるかもしれませんが、相手を否定したり、こちらの意見を押しつけたりするようなことは避け、これからどう進めていくのがいちばんよいのか、両家の考えをすり合わせていきましょう。

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