妊娠が判明した不安定な時期の心身を万全の態勢でサポートする

妊娠・出産という大仕事を成し遂げるためには、周囲のサポートは不可欠です。もちろん、サポーターの筆頭は娘の夫ですが、「実家」としても万全の態勢で支えてあげたいところです。

妊娠・出産は神秘的な体験

妊娠中の心とからだには、ふだんは起こりえないさまざまな変化があらわれます。妊娠初期は、つわりなどの体調不良に加え流産や感染症などの心配もあり、妊婦は強いストレスを感じながら生活をしています。

妊娠中期になると体調も気持ちも落ち着きますが、後期になって出産が近づくにつれ、マイナートラブルに見舞われたり、出産や育児への不安感・恐怖感を感じることもあります。このような妊娠期を通して娘の気持ちによりそい、まるごと受け止めて支えることができるのは、妊娠・出産経験者であると同時に、その娘を育ててきた実母しかいないかもしれません。

また、産後の産褥期には、母体のサポートが親の重要な役割になります。出産を終えボロボロになった娘のからだが少しでも休まり、早く回復するよう、住環境をととのえる、家事を引き受けるといったサポートをしてあげてください。娘を励まし、いたわり、母親としての自信をもたせてあげる精神的なサポートも重要です。

精神的に乱れる妊娠初期。

妊娠、出産、育児をする人を支える周囲のあり方

「マザーリング・ザ・マザー」という言葉があります。これは、新しく母親となる人を、周囲が母親のようにやさしくいたわり精神的。身体的にサポートすることで、疲労や不安を軽減させられる、という意味。その役割を果たすことができるのが、まさに実親、とくに母親でしょう。

娘は親の温かいサポートを得ることで、赤ちゃんを産み、お母さんになり、子どもに愛情を注いでいくことができるのです。

親、先輩として体験と助言を伝える

娘にとって親、とくに母親は、同じ女性として妊娠。出産。育児を経験したもっとも身近な親業の先輩です。しかも、親として、子として、人生を一緒に過ごしてきたわけですから、夫や友人とは少し違った意味で、さまざまなことを分かち合える存在だといえるでしょう。

ときには、娘から「どうしたらいい?」「お母さんはどう思う?」と助言を求められることもあるかもしれません。そんなときはぜひ、自分の体験談とともに、娘にアドバイスをしてあげてください。

その際に心に留めておきたいのは、自分が妊娠・出産。育児を経験したころと今とでは、医療技術も取り巻く環境も、また考え方も、だいぶ変わっているということ。以前は当たり前だったことも、今の常識ではなくなっているのです。

親としては、つい「こうするのはダメ」「ああしたほうがよい」と指導的になってしまうこともあるでしょう。でも、娘はそうした言葉を素直に受け入れないかもしれません。

それどころか、「今はそうじゃないの」と、聞く耳をもたなくなってしまうこともあります。娘が求めているのは、後悔しない決断を自分でするための助言。本やインターネッ卜などでさまざまな情報を得ることができ、選択肢が多様化した時代、何をどう選択すればよいのか、妊娠。出産の経験者であり入生の先輩でもある母親のアドバイスが受けたいのです。

的確なアドバイスをするためには

親も親なりに、今どきの常識を知っておく必要があります。「お母さんのときはああしたけれど、今はこうするのね」「お母さんはあなたの考えに賛成よ」と、 一緒に考える姿勢を見せてあげてください。

これから親となる娘と、「あなたが生まれたときはね……」と娘が生まれ、育ってきた話をすることは、改めて自分と娘との親子関係を見つめ直すよい機会でもあります。

娘の夫や先方ご両親とも足並みを揃えて

娘の妊娠をきっかけに、今後、娘の夫や先方ご両親とはこれまで以上に関わる機会が増えていきます。良好な関係を築いていたとしても、多少そうでない部分があったとしても、両家のつきあい方を見直すよいきっかけになるでしよう。

大切なことは、何をするにしても、両家で足並みを揃えるということです。たとえば、妊娠経過の報告、ベビー用品を揃えるなどの出産準備、お祝い事の段取りなど、「こちらには何も知らされていなかった」「あちらの家族ばかり……」などと不平等感が生まれては、せっかくのおめでたいことなのに残念です。

娘はついつい気安さからなんでも実親に頼みがちです

不安定な時期の余裕のなさから、義父母のことに気がまわらないこともあります。そこを気づかせ、導いてあげるのも親の役割。かといって、あれこれ調整しようとこちらから出すぎるのはよくありません。

もし、両家の足並みが揃っていないなと感じたら、「ようすはどう?」「あちらにもお知らせした?」「それは、あちらのお父様やお母様もきっと喜ぶわよ」などとさりげなく娘にうながすことで、両家が平等になるよう気を配りましよう。

新しい命は、夫婦をさらに結びつけ、両家を強くつなぎ合わせます。産まれてくる孫にとっては、どちらも大切な「おじいちゃん、おばあちゃん」。どうしても、こちらのほうが娘や孫に関わる機会は多いものですから、要所要所で先方ご両親を立てる気遣いを忘れてはいけません。おたがい手をとり合い、嬉しいことは喜び合い、協力して新しい命を支えていきたいものです。

また、妊娠。出産。育児では「実家」の出番が多く、娘の夫とも急接近することになります。おたがいを理解し合うよい機会ととらえ、ともに娘を支え、赤ちゃんを支えるパートナーとして協力していきましょう。

母方祖父母としての役割

「実家」には、娘の妊娠によつて「母方祖父母」という新たな役割が加わることも頭に入れておきたいことです。たとえば、妊娠中の帯祝い、孫の出産祝い、お宮参り、初節句、初誕生など、お祝いや行事に関しては、確実に果たすべき役割が出てきます。

行事の意味やしきたりを理解し、母方祖父母として期待されている役割をわかつておくことは大切なことです。最近は、伝統など気にしない、しきたりは今の自分たちの状況に合わせてアレンジすればよい、という人も増えています。

昔と今では「家」というものに対する考え方も違っていますし、住宅事情などでしきたりどおりに行事をおこなうのがむずかしい場合も出てくるでしょう。でも、伝統やしきたりについて知ったうえで省略するのと、そうでないのとではまったく違います。

親が伝統やしきたりを知らずにいるというのは、恥ずかしいこと。娘夫婦は、自分たちが最終的にどうするかを判断するためにも、きちんと親から教えてもらいたいと思っているはずです。伝統やしきたりは、地域や家によって違いがある場合もあります。

親自身がその意味や方法をきちんと理解して、娘夫婦に提案してあげてください。赤ちゃんのお祝い行事では、母方祖父母から品物を贈るのが習わしとされているものが多くあります。

まとめ

期待される役割を果たそうとすると、出費もかさみます。そのつど費用を用意するのはなかなか大変なもの。入園、入学などにも十分なお祝いをと思うのであれば、ひとつの方法として、娘が妊娠中から少しずつ貯金することを考えてみてもよいかもしれません。

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